
京都を拠点に活動するアーティスト・小林 颯(こばやし・はやて)の個展「Appeartus #1」が、2026年2月14日(土)から、北加賀屋の千鳥文化ホールにて開催される。
小林は1995年北海道生まれ。東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻修了後、渡独。2024年にベルリン芸術大学大学院アートアンドメディア科を修了。
装置と映像を通じて、エクソフォニー(「母語の外にある状態一般」の意)の新たな語りのかたちを再考している。近作では、よそ者/移動者の観点から、移動者の言語感覚を主題に扱う。
Appeartusは、小林がこれまで制作してきた、唇の像を投影する装置群と映像のシリーズです。同作において、小林は、自作の自転車型装置でのサイクリングを通じて、走行中に発した言葉から詩を作る「ポエトリー・ライディング」を実践してきました。本作(#1)では、大阪・大国町のベトナム系住民らが働く自転車屋「XE ĐẠP TRỢ LỰC OSAKA GIÁ RẺ」に焦点を当て、同店でのインタビューと、大阪・大和川でのポエトリー・ライディングを通じて、彼らの個人的な移動の言葉を収めます。そして、断片のような彼らの言葉から、<移動>を主題に一篇の詩を紡ぎます。
大国町駅を降りると、至るところにベトナム語の看板が見えます。食品スーパーやカフェを始め、そこにはベトナム語と日本語が併記されています。少し歩くと、自転車屋「XE ĐẠP TRỢ LỰC OSAKA GIÁ RẺ」があります。直訳すると「大阪の格安電動アシスト自転車」。その自転車屋は、ベトナム人店主のグエンさんによって経営されています。彼はベトナム北部・ハイズオンの出身で、2020年から友人たちと自転車屋を始めました。グエンさんいわく「五年前を境にベトナム系のお店が増えた」といい、「ここはベトナム人が来る一時的な場所」といいます。私はグエンさんに、自転車屋で、そして大和川のほとりで、彼の<移動>について話を訊きました。そうやって、私たちの言葉は詩になり始めました。
彼らの生活する世界では、「祖国との関係性」という内側の特性と、「日本の非移民社会性」といった外側の特性があり、その摩擦によって不安定性*が生じます。この不安定性は、彼らの言葉にどう反映されているのでしょうか。彼ら―私たちは、その言葉をどのように捉えることができるのでしょうか。
* 川上郁雄「越境する家族 在日ベトナム系住民の生活世界」、明石書店、2001年、p.230
小林 颯 hayate kobayashi
Appeartus #1会期:2026年2月14日(土)〜23日(月・祝) ※会期中無休
会場:千鳥文化ホール
時間:11:30 – 18:00
料金:入場無料
助成:一般財団法人おおさか創造千島財団、大阪市
協力:一般社団法人HAPS、XE ĐẠP TRỢ LỰC OSAKA GIÁ RẺ
大阪市住之江区北加賀屋5-2-28






