肥後橋のYoshimi Artsにて、⻄⼭美なコの個展「MINAKO NISHIYAMA / boudoir…」が開催。
⻄⼭は、1980年代後半から紙パルプを用いた立体作品を制作し、巨⼤な「リカちゃんハウス」を思わせる《ザ・ピんくはうす》(1991)や宝塚の書き割り風の作品など、少女文化を前面に出した立体作品で注目を集めた。日本独自のサブカルチャーを媒介とした美術作品を制作し始めた世代の一人だ。
現在、金沢21世紀美術館にて開催中の展覧会「フェミニズムズ / FEMINISMS」では、《 ♡ときめきエリカのテレポンクラブ♡ 》(1992)と《もしもしピんク〜でんわのむこう側〜》(1995)で発表した、90年代の風俗産業をモチーフにした2つのテレホン・プロジェクトをアーカイブ展示。少女たちが好むと同時に性風俗の象徴でもあるピンクの持つ二面性が、消費文化と交差していたことを物語っている。
本展では、光の反射を利用した「レフ・ペインティング」に加え、2009年の「広瀬光治と⻄⼭美なコの“ニットカフェ・イン・マイルーム”」 (金沢21 世紀美術館)にて制作した「レフ・ワーク」の四隅の小部屋(ブドワール)の1つを再展示。異なる時代に制作した作品が交差することにより、ピンクが持つ二面性が空間に表れる展示となりそうだ。
⻄⼭美なコ / NISHIYAMA Minako
1965年 兵庫県生まれ。1991年 京都市立芸術⼤学⼤学院美術研究科彫刻専攻修了。1997年 Asia Cultural Councilの援助を受けてニューヨークに滞在。2003年 Banff Creative Residency(カナダ)に参加。現在、兵庫県在住。
1980年代後半から、紙パルプを用いた立体作品や、布のオブジェ作品を制作したのち、巨⼤な「リカちゃんハウス」を思わせる《ザ・ピんくはうす》(1991)や宝塚の書き割り風の作品など、少女文化を援用した作品を制作した。その後、王冠やバラなど、砂糖を使った儚く壊れやすい作品のほか、ウォールペインティング、光の反射を利用したレフワークシリーズなど、表現媒体は多岐に渡る。
近年の主な個展に、2018年「⻄⼭美なコ 90’s ★キラキラおめめ★」(Yoshimi Arts/⼤阪) 、2007年「〜いろいき〜」(京都芸術センター/京都)、2004年「Pink Vacancy ⻄⼭美なコ ライブ・ドローイング」(資生堂ギャラリー/東京)、2002年「スイート・ドリーム」(三菱地所アルティアム/福岡)、1997年「ピンク♥ピんク♥ピんく」(⻄宮⼤⾕記念美術館/兵庫)、1992年「♡ときめきエリカのテレポンクラブ♡」(フォト・インターフォーム/インターフォーム・コンテンポラリー/⼤阪)。主なグループ展として、2021年「フェミニズムズ / FEMINISMS」(金沢21 世紀美術館/石川)、2015年「Kawaii」(University for the Creative Arts Farnham/イギリス)、「おおいたトイレンナーレ 2015」(⼤分)、2014年「うつろい」(高松市美術館/香川)、2013年「六甲ミーツ・アート芸術散歩2013」(兵庫)、「瀬⼾内国際芸術祭2013」(香川)、「アートにみる愛のかたち“Love 展”」(森美術館/東京)、2012年「AIR 3331」(3331 Arts Chiyoda/東京)、2011年「Cafe in Mito 2011」(⽔⼾芸術館/茨城)、2009年「広瀬光治と⻄⼭美なコの“ニットカフェ・イン・マイルーム”」(金沢21 世紀美術館/金沢)、「女性アーティストとその時代」(資生堂ギャラリー/東京)、2007年「美麗新世界:当代日本視覚文化」(ロングマーチ/北京、広東美術館/広州)、2005年「アニメイト。〜日韓現代アートに⾒るアニメ的なもの〜」(福岡アジア美術館/福岡、省⾕美術館/ソウル)、2004年「夢みるタカラヅカ展」(サントリーミュージアム天保⼭/⼤阪、東京オペラシティアートギャラリー/東京、そごう美術館/横浜)。
MINAKO NISHIYAMA / boudoir…
西山美なコ 個展「ブドワール…」会期:2022年1月29日(土)~
2月20日(日)3月13日(日)まで会期延長会場:Yoshimi Arts
時間:12:00~19:00、日曜~17:00
定休:月・火曜
問合:06-6443-0080 info@yoshimiarts.com
January Party
1月29日(土) Yoshimi Artsが入居する若狭ビルの4ギャラリーが展覧会を同時期開催。
大阪市西区江戸堀1-8-24
若狭ビル3F