2022年2月2日、約40年の構想期間を経て、大阪中之島美術館がついに開館する。
同美術館の構想が発表されたのは1983年(当初の仮称は大阪市立近代美術館)。1990年には美術館準備室が設置されたが、その後のバブル崩壊などの社会変化、大阪市政の変遷により幾度も計画変更を余儀なくされた。しかしその間も美術館のコレクションは成長を続け、19世紀後半から今日に至る日本と世界の優れた美術とデザインを核としながら、 地元大阪の芸術活動も含めて6,000点を超える作品が収蔵されている。今後はコレクションを核に、アートの新たな価値を提⽰する展覧会や多彩なイベントを開催して、発信⼒と創造⼒をもつプラットフォームとなることを目指すという。
オープニングを飾る「Hello! Super Collection 超コレクション展―99のものがたり―」では、コレクションの中から約400点の代表的な作品を選び公開。あわせて作品にまつわる”99のものがたり”も紹介し、同館と収蔵品との関わりから作品をひも解く。
展示は3つの章から成る。「第1章 Hello! Super Collectors」では、美術館構想の契機となった「山本發次郎コレクション」より、高僧の墨蹟、佐伯祐三、原勝四郎の絵画、インドネシアの染織などを展示。
近代・現代美術の代表的な作品を紹介する「第2章 Hello! Super Stars」では、モディリアーニ、ダリ、ロスコ、バスキアなど、20世紀美術の名作が並ぶ。
そして同館を特徴づける近代デザインの収蔵品が一堂に展示されるのが「第3章 Hello! Super Visions」。寄託されているサントリーポスターコレクションの中から19世紀末のロートレック、ミュシャをはじめとするクラシック・ポスター作品を多数展示。また大阪市が1992年より収集してきた希少な家具コレクションは、19世紀後半から1980年代までのデザイン史をたどる内容となっており、北欧デザインのアルヴァ・アアルトのオリジナル家具やデザイナー・倉俣史朗の椅子《ミス・ブランチ》など、今回の開館記念展でも見どころが多い。
⼤阪中之島美術館 開館記念
Hello! Super Collection 超コレクション展 ―99のものがたり―会期:2022年2月2日(水)~3月21日(月・祝)
会場:大阪中之島美術館 4・5階展⽰室
時間:10:00~17:00(入場は16:30まで)
料金:一般1,500円、高大生1,100円、中学生以下は無料
※日時指定事前予約優先制休館:月曜日(3月21日を除く)
問合:06-6479-0550
関連イベント
トークイベント「超コレクション展グラフィックデザインや大阪中之島美術館のシンボルマークとロゴタイプなどについて」
日時:3月19日(土)14:00~15:30
登壇者:大西隆介(direction Q 代表/アートディレクター 大阪中之島美術館 VIデザイナー)
聞き手:平井直子(大阪中之島美術館主任学芸員)
定員:150名
参加費:無料 ※要展覧会観覧券
申込:美術館チケットサイトまたは往復はがき
締切:先着順、定員に達し次第締切 ※往復はがきは3月4日(金)必着
⼤阪市北区中之島4-3-1