肥後橋のThe Third Gallery Ayaにて、川田喜久治の写真展「地図」が開催。
川田は1933年生まれ。1956年の『週刊新潮』創刊よりグラビア等の撮影を担当した後フリーランスに転じ、敗戦の記憶を作品化した写真集『地図』(1965年)によりデビュー。奈良原一高、東松照明、細江英公、佐藤明、丹野章らと結成した写真エージェンシー「VIVO」(1959〜61年)のメンバーでもあり、現在も第一線で活躍を続ける、日本を代表する写真家だ。80歳を過ぎてから始めた自身のInstagramでも、精力的に作品を発信している。
写真集『地図』は、杉浦康平のデザインによる全ページ観音開きという独創的な装丁と、記号的なイメージにより構成された作品世界で写真界に衝撃を与えた。初版は発行部数が500部と少なく入手困難なため伝説の写真集とされてきたが、2005年に月曜社とNazraeli Press(アメリカ)から、新装本として2014年にアキオナガサワパブリッシングより復刻版が出版。2021年にはMACK(イギリス)、New York Public Library(アメリカ)から、川田の手製であり『地図』の構想模型(マケット)の復元である『川田喜久治 地図 マケット版』が発売された。
本展では、1970年代のゼラチンシルバープリントから近年発表しているデジタルのプリントまでを展示。また『地図』の初版本からマケット版までの全ての写真集も展示されており、一部は手にとって見ることができる。
会期中には、川田と写真家・石内都が語り合うオンライントークイベントも予定されている。
会期:2022年5月14日(土)〜6月18日(土)
会場:The Third Gallery Aya
時間:12:00~19:00、土曜~17:00 ※火曜はアポイントメント制
定休:日・月曜
関連イベント
オンライントークイベント|川田喜久治×石内都
日本写真史の金字塔として名高い『地図』について、川田喜久治とハッセルブラッド国際写真賞を受賞し日本を代表する写真家のひとりである石内都が語り合う。
日時:6月5日(日)15:00〜16:00
会場:YouTube配信 *申込後に詳細を案内
参加費:1,500円
申込先:event@thethirdgalleryaya.com / 06-6445-3557
大阪市西区江戸堀1-8-24
若狭ビル2F