画家・館勝生(たち・かつお)の再評価に取り組む肥後橋のYoshimi Artsにて、5回目となる館の展覧会「館勝生 1980s-1990s」が開催される。
館は1964年三重県生まれ。大阪芸術大学芸術学部美術学科にて泉茂に師事した。
初期には絵具の色彩と物質感で描いた抽象絵画が特徴的だったが、1990年代初めからは、虫と分かるような有機的な存在を用いて描くようになる。1990年代中頃の作品になると、虫のようなモチーフが解体されて、絵画の構造が画面全体に立ちあがり、突然出現した球体が宇宙的な空間を作り出す。それが2000年に入ると、激しい生命観を持ったような抽象化された有機体になり、それと共に大きな余白が出現してくるなど、2009年に44歳で逝去するまで作風がさまざまに変化した。
本展では、1988年に20代で描いた油彩1点、1995年の阪神・淡路大震災でアトリエが甚大な被害を受けた為にあまり作品が残っていない時期にあたる1994年作のドローイング3点と1995年の油彩1点、そして1996年の大作1点の計6点の出品を予定している。
なお、国立国際美術館で開催中のコレクション展「コレクション2:つなぐいのち」(2022年5月22日まで開催)では、絶筆作品と2008年の2作品が出品されている。本展会場から徒歩圏内なので、あわせて鑑賞したい。
会期:2022年5月11日(水)〜29日(日)
会場:Yoshimi Arts
時間:12:00~19:00、日曜12:00~17:00
定休:月・火曜日
問合:06-6443-0080 info@yoshimiarts.com
大阪市西区江戸堀1-8-24
若狭ビル3F