2024年11月、篠笛奏者・立石雷のデビューアルバム『Presence』が発売され、同時期にリリースを記念した国内11公演のツアーを実施。11月19日(火)には、東心斎橋CONPASSでのライブを予定している。出演は立石のほか、Phew、YPY(日野浩志郎)。
立石は、日本伝統楽器である篠笛を軸に自然と電子をテーマに演奏を行っており、新潟は佐渡を拠点とする太鼓芸能集団「鼓童」での活動を経て、現在は音楽家の日野浩志郎をリーダーとするリズム・アンサンブル「goat」、韓国・チベット・日本の伝統音楽家による多民族芸能楽団「WATARA」、パフォーマンスアーティストコレクティブ「ANTIBODIES Collective」、青森県伝統芸能「八太郎えんぶり組」などさまざまな活動を行っている。
goatで活動をともにする日野が2020年に設立したレーベル「NAKID」よりリリースされる本作。篠笛を中心に、尺八、ケーン、アイリッシュ・フルートなど複数の管楽器も使用され、わずか3日間のレコーディングで収録された全編完全即興演奏の作品となる。立石は、音楽ライター/批評家の細田成嗣によるインタビューのなかで「日野くんというパートナーが、生き物としての僕に起きていることをフィールド・レコーディングすることによって、音楽という現象にしてくれた」と述べている。
アルバム・タイトルの “presence” は「気配」を意味している。「僕は生まれも育ちも今住んでいるところも滋賀県の山奥で、そこで聴こえてくる自然環境の音も自分のアイデンティティになっています。人間の音だけではなくて、自然界の音からもインスパイアされていることが、僕自身の『伝統芸能』という感覚があります」と説明する立石は、タイトルについて「自然の中に身を置いていると、 聴こえない見えない何かが『気配』として感じられることがあるんです。目に見えないものや霊的なものは僕にとって自分の感覚が開く場所でもあるので、今回の作品からもそういうような何かの『気配』を感じてもらえたらと思い、『Presence』というタイトルにしました」と明かす。
引用:細田成嗣 note|驚嘆すべき崇高なる「気配」のサウンド風景——伝統楽器のオルタナティヴな響きが描き出す即興音楽の現在地
11月19日(火)の大阪公演では、立石のライブに日野も参加しエフェクト処理を行うとのこと。即興演奏とエレクトロニクスの掛け合わせによって現れる気配とは何か。立石の言う「自然」や「伝統芸能」のあり方も含め、ライブや作品を通して感じてみたい。
立石雷『Presence』(LP)
レーベル:NAKID
曲目:
A1. Presence Ⅰ
A2. Presence Ⅱ
A3. Presence Ⅲ
B1. Presence Ⅳ
B2. Presence Ⅴ
B3. Presence Ⅵ録音/編集/ミックス/プロデュース:日野浩志郎
マスタリング:ラシャド・ベッカー
アートワーク:野田祐一郎
アートディレクション:中野裕介
デザイン:井上仁平
NAKID presents Rai Tateishi “Presence” release party
日時:2024年11月19日(火)19:00開場、19:30開演
会場:東心斎橋 CONPASS
出演:Rai Tateishi、Phew、YPY
料金:予約 3,500円、当日 4,000円リリースツアー情報
11月5日(火) 岡山(ソロ) w/THE NOUP
11月9日(土) 高松ルクス(ソロ)
11月10日(日)広島福山NOQUOI (ソロ)
11月11日(月)広島ONDO(ソロ)
11月18日(月)京都UrBANGUILD(デュオ) w/Phew, Bing+YPY
11月19日(火)大阪CONPASS(デュオ) w/Phew, YPY
11月20日(水)神戸BAPPLE(デュオ)
11月23日(土)当別 大成寺(ソロ)
11月24日(日)札幌PROVO(デュオ)
11月28日(木)福岡九州大学(デュオ)
11月20日(金)熊本tsukimi(デュオ)※上記日程のデュオと記載の公演は日野浩志郎もライブに参加しエフェクト処理を行う。ツアーに合わせてCD先行発売し、遅れてLPも発売予定