
北加賀屋の千鳥文化にて、宮城県仙台市を拠点に活動する作家・菊池聡太朗の個展「余りの風景」が開催される。
菊池は1993年岩手県生まれ。東北大学大学院工学研究科都市・建築学専攻修了。
近年は、主に荒れ地をテーマとしながら、風景や場所の痕跡、身体的な経験、自然と人間とのつながりについて、ドローイングや建築素材を用いたインスタレーションを通して考察した作品を発表している。
個人での制作のほかに、空間や什器の設計 ・ 制作、森林環境や木材に関するリサーチプロジェクトを共同で行うデザインチーム「建築ダウナーズ」 、出版やキュレーションを共同で行う「PUMPQUAKES」のメンバーとしても活動する。
本展では、2011年の東日本大震災の津波のあとに残った宮城県沿岸部の松林を継続的に観察しながら描いた作品や、当時の崖崩れにブルーシートがかけられ今でも保存されている風景を描いた作品など、大きな出来事の後にある時間の経過の痕跡、目の前の風景の現れから見えてくる社会や人間とのつながりについて描いたドローイング作品群のほか、戦後に植林され、後に使われずに余されてしまった宮城県丸森町の山を中心に行っている林業や木材に関する近年のリサーチをもとにした作品も展示する。
作家の在廊時には、空き地や荒れ地に生息するセイタカアワダチソウを煎じたお茶を作家自ら振る舞うという。作品を見、お茶を味わいながら、“余り”の風景や土地について思いを巡らせてみたい。

菊池聡太朗 近年の主な活動
個展
「余りの風景」(Cyg art gallery,岩手,2025)
「Good Landing」(Gallery TURNAROUND, 宮城,2022)
「喫茶荒地」(Gallery TURNAROUND, 宮城,2019)グループ展
「VOCA展2023 現代美術の展望ー新しい平面の作家たち」(上野の森美術館, 東京,2023)
「ナラティブの修復」(せんだいメディアテーク,宮城,2021)令和3年度宮城県芸術選奨新人賞 受賞(2021)
会期:2025年10月25日(土)〜12月7日(日) ※会期中無休
※作家在廊予定:10月25日(土)、26日(日)、12月7日(日)会場:千鳥文化ホール
時間:11:30〜18:00
料金:入場無料
企画:千鳥文化(adanda)
大阪市住之江区北加賀屋5-2-28