南堀江のTEZUKAYAMA GALLERYにて、大成哲の個展「勿体 – buttai –」が開催される。
大成は1980年東京生まれ。東京藝術大学大学院在学中の2005年、チェコ共和国・プラハへ2年間留学し、現在もプラハを拠点に活動。ガラス、石、木などの素材を用いた彫刻作品、インスタレーション作品を中心に精力的に発表している。
さまざまな素材を扱いながらも、「人の手が加わる事で物質が変化する際に起こる現象や関係性 」をテーマに作品制作を行ってきた。その作品の多くは創造と破壊、結果と過程、作為と無作為といった対比性を持って鑑賞者に提示される。
2016年の個展で発表した作品「tear」は、チェコの伝統技術であるカットガラス(クリスタルカット)の技法を駆使しながらヒビを模して彫刻した模様(人工美)と、瞬間的に発生するヒビ(自然美)の対比を一対二点のガラス彫刻で提示し、美の本質に迫ろうとする試みを展開した。
約5年ぶりとなる今展では、世界各国のギャラリスト、キュレーター、アーティストの名刺を素材に、スグラフィットと呼ばるれるルネッサンス時代に編み出されたグラフィックの技法を参照した彫刻作品「monos」を中心に発表。
幾何学模様にカットされた名刺は、彫刻の対象物として作為的に彫られた部分とその行為によって無作為に生じた非対象物の2つに切り分けられるが、相似の型を成し、本質的には同価値である事を示唆している。また、彫刻という創造行為はある種の破壊行為と表裏一体の関係で成り立っているという事も鑑賞者に暗示する。
今作はこれまでにバーゼル、チェコで発表を重ねてきたが、日本では初の展示となる。
会期:2021年5月21日(金)〜6月19日(土)
会場:TEZUKAYAMA GALLERY Viewing Room
時間:12:00〜19:00
休廊:日・月曜日、祝日
問合:info@tezukayama-g.com 06-6534-3993
大阪市西区南堀江1-19-27 山崎ビル2F