1982年、中国・韓国陶磁を中心とした世界屈指の「安宅コレクション」が住友グループから寄贈されたことを記念し、大阪・中之島に誕生した大阪市立東洋陶磁美術館。同館が約2年の改修工事を終え、2024年4月12日(金)にリニューアルオープンした。
新しい館では、水と緑が彩る中之島公園との一体感をもたせ、より親しみやすく、明るく開放的な空間を目指し、スタイリッシュなガラス張りのエントランスが誕生。美しい曲線を描くコンクリート壁に設置された階段を上り、本館の展覧会場へと向かう動線となっている。また、カフェもリニューアルされ、こちらも白を基調とした全面ガラス張りの空間へ。鑑賞後は、名建築として有名な大阪市中央公会堂や堂島川を見渡しながら、ゆったりとくつろぐことができる。
注目のリニューアルオープン記念特別展は「シン・東洋陶磁―MOCOコレクション」だ。同館の所蔵品の軸を成す「安宅コレクション」及び「李秉昌コレクション」を中心とした名品のなかから、国宝2件を含む約380件の珠玉のコレクションを、新たな展示環境で一挙に紹介。照明にもこだわり、自然光に限りなく近い光源で作品を照らすことができる紫励起LED照明を新たに導入。古陶磁ならではの豊かで繊細な表情を、より多彩に引き出せるようになった。
国宝《油滴天目茶碗》の魅力を最大限に引き出す、専用独立展示ケースも見逃せない。高透過ガラス、茶碗の内面を浮かび上がらせるスポット照明などを用い、美しい斑文と繊細な光彩を放つ同作を、360度からじっくり鑑賞することが可能に。さらに同展では、デジタル技術や高精細3DGを駆使し、《油滴天目茶碗》のさらなる魅力に迫る体験型コンテンツも用意されているという。
タイトルの「シン」には、「新」たなミュージアムへと歩みはじめること、「真」の美しさとの出会い、「心」がワクワクする鑑賞体験を、という3つの願いが込められている。中国・韓国の古陶磁のオールスターから、日本の現代陶芸まで。新しく生まれ変わった展示空間で、陶磁器の新たな魅力と価値に出会ってみてはいかがだろう。
リニューアルオープン記念特別展
「シン・東洋陶磁―MOCOコレクション」
会期:2024年4月12日(金)~9月29日(日)
会場:大阪市立東洋陶磁美術館
時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)
料金:一般1,600円、高校生・大学生800円
休館:月曜(祝日は開館)、5月7日(火)、
7月16日(火)、8月13日(火)、9月17日(火)、
9月24日(火)
問合:06-6223-0055
開館時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜(祝日の場合は翌日)、年末年始(12月28日〜1月4日)、展示替え期間
大阪市北区中之島1-1-26