関西を拠点に活動する芸術家や有志が集まり、使われなくなった陶磁器を回収し再焼成したものを再び社会に還元するプロジェクト「サイネンショー」の展覧会が、中之島のgraf porchと鳥取県のたみ(ゲストハウス、カフェ、ギャラリーを併設した施設)の2会場で開催される。
「サイネンショー」は、陶芸家・松井利夫が主宰。
廃材を燃料に穴窯で約1,300℃の高温で焼成すると、溶融によって時には原型をとどめないほどに変形し、歪んだり器同士が付着したり、上絵や下絵が消失または流れるなど、窯の中でさまざまな「窯変」が起き、偶発的に造形された新しい作品として生まれ変わる。
本展では、そうした作品を展示することにより、作陶に必要な原材料が廃棄されたり、焼成に必要なエネルギー源を化石燃料に極度に依存している今日の制作環境への気づきを促しつつ、新たな生活の楽しみ方を提示する。
graf porchでの展示後に巡回するたみでは、サイネンショーの活動10周年を記念した書籍刊行とトークイベントの開催を予定しており、トークは有料でアーカイブ配信される。
松井利夫
1955年大阪市生まれ。1980年、京都市立芸術大学陶磁器専攻科修了後、イタリア政府給費留学生として 国立ファエンツァ陶芸高等教育研究所に留学。エトルリアのブッケロの研究を行う。帰国後、沖縄のパナリ 焼、西アフリカの土器、縄文期の陶胎漆器の研究や再現を通して芸術の始源の研究を行う。近年はたこつぼ漁、野良仕事に没頭し人間の営みが芸術に変換される視点と場の形成に関する研究を重ね、かめおか 霧の芸術祭総合プロデューサー、公開講座「ネオ民藝」を運営する。現在、京都芸術大学教授、滋賀県立陶芸の森館長、IAC 国際陶芸学会理事。
会期:2022年9月3日(土)〜11日(日)
会場:graf porch
時間:11:30〜18:00
定休:9月5日(月)
問合:06-6459-2082(担当:猪子)
サイネンショー_ 鳥取
会期:10月15日(土)〜24日(月)
会場:たみ(鳥取県東伯郡湯梨浜町中興寺340-1)
問合:0858-41-2026(担当:蛇谷)出版記念トークショー「サイネンショーって何だと思う?」
日時:9月18日(日)19:00〜21:00
会場:たみ
登壇:松井利夫、山崎亮(コミュニティデザイナー)、鞍田崇(哲学者)
進行:蛇谷りえ、三宅航太郎(うかぶLLC)
料金:5,500円(税込)書籍「ザ・サイネンショー」、ドリンク付
定員:30名出版記念トークショー アーカイブ配信
期間:9月19日(月)〜10月19日(水)※後日配信
料金:サイン入り書籍付 4,500円(税込、送料込)、アーカイブ配信視聴 2,000円(税込)
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大阪市北区中之島4-1-9
graf studio 2F