
独自の肉体表現によって戦後の日本美術界を刷新した前衛芸術家・加藤好弘と前衛芸術集団〈ゼロ次元〉の全貌に迫った『反万博の思想 加藤好弘著作集』(細谷修平編)が、2025年5月に河出書房新社より刊行された。刊行記念イベントの一環として、「反万博特集上映」が、九条のシネ・ヌーヴォにて3日間にわたり行われる。
加藤好弘は1936年名古屋市生まれ。多摩美術大学を卒業後、岩田信市らと前衛芸術集団〈ゼロ次元〉を結成し、各地で「儀式」と称したパフォーマンスを長期にわたり膨大な回数行った。
1970年の大阪万博を前に、ともに活動していた〈告陰〉らと〈万博破壊共闘派〉を結成して活動を展開。その後、〈ゼロ次元〉の儀式の集大成ともいえる映画『いなばの白うさぎ』を発表した。
今回の特集上映では、『いなばの白うさぎ』をはじめ、岩田信市の『THE WALKING MAN』、岡部道男の『クレイジー・ラブ』など、同時代の映画作家による貴重な作品が取り上げられる。
また、各プログラムの上映前後には、映画、現代美術、社会思想など多分野のゲストによるトークイベントも開催し、「反万博の思想」に迫る。
日程:2025年9月5日(金)~7日(日)
会場:シネ・ヌーヴォ
上映スケジュール:
9月5日(金)
Aプログラム 19:00
加藤好弘『いなばの白うさぎ』(1970年、オリジナル、132分)
※作品には一部過激な表現が含まれるので注意
[上映前トーク]細谷修平(『反万博の思想』編者、美術・メディア研究)9月6日(土)
Bプログラム 11:30
加藤好弘『いなばの白うさぎ』(1970年、スペシャル・エディション[2017年]、二面マルチ、46分)※作品には一部過激な表現が含まれるので注意
岩田信市『THE WALKING MAN』(1969年、15分)
岩田信市『愛の浅間山荘』(1972年、サイレント、16分)
[上映後トーク]高橋綾子(現代美術評論)Dプログラム 13:50
岡部道男『クレイジー・ラブ』(1968年、93分)
[上映後トーク]宮田有香(戦後芸術資料保存/padoco)9月7日(日)
Cプログラム 11:30
末永蒼生
『幻のブラックフェスティバル 新宿番外地編』+『10月21日 夜 新宿』(1968年、二面マルチ、サイレント、13分)
『ベトナム反戦・安保粉砕・沖縄闘争勝利・佐藤訪米阻止統一行動』(1968年、サイレント、4分)
おおえまさのり『Great Society』(1967年、六面マルチ、17分)
金井勝『無人列島』(1969年、48分)
[上映後トーク]中村葉子(映画研究)、原口剛(社会地理学・都市論)、細谷修平(『反万博の思想』編者)Eプログラム 14:00
足立正生 / 岩淵進 / 野々村政行 / 山崎裕 / 佐々木守 / 松田政男『略称・連続射殺魔』(1969年、86分)
[上映後トーク]酒井隆史さん(社会思想、都市史)入場料(各プログラム):一般1,900円、シニア1,300円、会員・学生1,200円、ハンディキャップ・高校生以下1,000円(回数券・招待券使用不可)
主催:シネ・ヌーヴォ
共催:河出書房新社問合:info@cinenouveau.com/06-6582-1416
大阪市西区九条1-20-24