大阪中之島美術館が、関西・大阪21世紀協会との共同主催により、関西ゆかりの若手アーティストを個展形式で紹介するシリーズ「Osaka Directory Supported by RICHARD MILLE」。第10弾は、大阪出身のアーティスト・金 光男（きむ・みつお）の個展を開催する。

金は1987年生まれ、2012年に京都市立芸術大学大学院を修了。
蝋（パラフィン）とシルクスクリーンプリントを用いた表現で在学中から注目を集め、「VOCA展2014」奨励賞、「京都市芸術新人賞」（2016年）などを受賞。
近年では、大型の立体作品にも挑戦し、表現の幅を大きく広げている。2024年1月に開催された「TERRADA ART AWARD 2023 ファイナリスト展」では、蝋で作った実寸大の赤いカヌーが時間とともにゆっくりと溶けて崩れていくインスタレーションを発表した。

本展で金は、弦の上を滑らせて音を奏でるギターのスライド奏法に着目した作品を発表する。
蝋の滑らかな変化や、音階を自由に行き来するスライドギターの音色は、複数の場所やアイデンティティの間で揺れ動く人間の在り方にも重なるもので、それらを通じて“越境”する人々の生き方に思いを馳せる空間を創出する。