
谷町六丁目のギャラリー「+1art」にて、2026年3月18日(水)より、菊池和晃による個展「STUCK³ー泥濘のキュビズム」が開催される。
菊池は1993年京都府生まれ。2018年京都市立芸術大学大学院 修了。「LUMINE meets ART AWARD 2020-2021」グランプリ、「Kyoto Art for Tomorrow 2020 ‒京都府新鋭選抜展‒」優秀賞受賞。
菊池は、過大な労力にまったく見合わない仕事を行うマシンを制作し、それを自ら稼働させることで、美術史上に残る作品イメージを生産する行為そのものを作品化してきました。鉄やステンレスで作られたマシンは、大人一人では持ち上げることが難しいほど重く堅牢で、工場の工作機械のような外観をしていますが、実際には、驚くほど非効率で、過酷な労働を強いる装置ばかりです。 結果や効率が重視される現代社会において、菊池はこうしたナンセンスとも言える行為を、あえて作品として提示しています。
本展では、15世紀の北方ルネサンス、17世紀のバロックへと時代を遡り、3点の絵画をモチーフとした新作を発表します。
今夏、フェルメールの《真珠の耳飾りの少女》が来日し、大阪中之島美術館で展示されることが話題となっていますが、よく知られているように、この作品は数奇な運命をたどってきました。フェルメールの死(1675)後に競売にかけられ、約200年にわたり所有者を転々としたのち、1881年の競売で当時わずか1万円で落札され、落札者の死後、本作はマウリッツハイス美術館に寄贈されました。
本展はこの作品をはじめ、ベラスケス《ラス・メニーナス》、ヤン・ファン・エイク《アルノルフィーニ夫妻の肖像》を題材に、鑑賞者が画面に目線の高さで最接近したときに見える(であろう)イメージを描いた《超近景シリーズ》、鉄板に「アイアンブラシホルダー」を用いて描かれた《脱重力の為のプラクティス》のほか、平面、立体、映像で構成されます。3月21日(土)には、自作のマシンを稼働させるパフォーマンスを予定しています。+1art
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作家コメント
折角なので、スタックした泥濘を観察してみることにした。ゼロ距離で眺めてみたり、線を引いてみたり、重さを確認したり。
どのみち、しばらくの間ここで足止めを食うことになるので、じっくりやってみることにした。
そのうちに、ぽつりぽつりと鳥肌が立ってきて、皮膚が引っ張られ、体が浮いて、前後不覚になってきた。
泥の重みを感じつつ、なんとか体を動かして泥をかき出していく。しばらくすると、隣に新しい泥濘ができたので、誰かがそこにスタックするのを期待した。
会期:2026年3月18日(水)~28日(土)
会場:+1art
時間:12:00〜19:00(最終日は〜17:00)
休廊:日〜火曜
料金:入場無料
自作マシンによるパフォーマンス
《芋の皮を剥くことでさえ》を稼働させる。
日時:3月21日(土)12:00〜19:00
会場:+1art
パフォーマー:菊池和晃
料金:参加無料 ※予約不要
大阪市中央区谷町6-4-40




