芸術と社会をつなぐ地域密着型アートプロジェクトを展開している「ブレーカープロジェクト」が、アーティストのYukawa-NakayasuとQenji Yoshidaを迎え、西成区の飛田会館と動物園前商店街にて2つの展覧会「Dear」「来日」を開催する。
Yukawa-Nakayasuは、1981年大阪生まれ。歴史や習俗、習慣をもとに、社会や身体、日常に内在している営為や現象を視覚化する作品を制作。Qenji Yoshidaも大阪出身で1982年生まれ。言語、翻訳、対話などをテーマに、間違いや誤解を積極的に採用する作品が特徴的だ。
2人は各々の表現活動に加えて、大阪を拠点とする新たなアートハブ「TRA-TRAVEL」の共同代表として、海外のアート関係者・研究者との連携による展覧会などの企画にも精力的に取り組んでいる。
海外での活動も多い両名だが、今回は普段の生活圏である西成区において、約1年半をかけてリサーチを行いながら創作活動を進めた。その過程で「他者との身体的/心理的距離」「共感」に着目、今回は「[Co-mirroring コ・ミラーリング] – 共にうつしあう-」という共通のテーマのもとで、それぞれの展示を展開する。
Yukawa-Nakayasuは、飛田新地料理組合の古写真から肖像画を描くことや、地域の人々の夢を集める行為を通して、コロナ禍で他者と隔絶された時勢に「未来の親愛なる人と出会う方法」について思いを巡らす。
一方、Qenji Yoshidaは、フィールドワークで出会った在日中国人との交流を通して、言語や価値観の違い、そこから生まれる摩擦やズレに着目しつつ、異文化の共存や折衷を想像することから制作した作品を発表する。
人間が他者への共感を獲得するひとつの方法に、mirroring (ミラーリング)というものがあります。ミラーリングとは無意識に相手の話し方、態度などを真似るというもので、親しい間柄で顕著に表れるものとして知られています。周囲にいる人々の真似をしながら自己表現を獲得していく子どもの成長のように、私たちはつねに他者からの影響を受け続ける主体です。本プロジェクトでは、社会的や身体的に非対称な力学をはらんだ異なる主体が、互いに影響を与えあう双方向的ミラーリング状態を『Co-mirroring(コ・ミラーリング)』と提唱することで、私たちの現在やこれからの「関係性」を再考しようと思います。
TRA-TRAVEL
[Co-mirroring コ・ミラーリング] – 共にうつしあう-
展覧会A「Dear」(Yukawa-Nakayasu)
会期:2022年2月11日(金・祝)〜13日(日)、17日(木)〜20日(日)、23日(水・祝)〜27日(日)
会場:飛田会館
時間:13:00〜19:00
入場料:無料展覧会B「来日」(Qenji Yoshida)
会期:2022年2月26日(土)・27日(日)、3月3日(木)〜6日(日)、10日(木)〜13日(日)
会場:白壁
時間:13:00〜19:00
入場料:無料トーク
日時:2022年3月5日(土) 15:00〜17:00
会場:大阪府立江之子島文化芸術創造センター[enoco]
話し手:荒井亮(「知財図鑑」編集長)×Yukawa-Nakayasu , Qenji Yoshida
参加費:500円
定員:40名
申込:ブレーカープロジェクトのお問い合わせフォームより必須項目及び、メッセージ欄に、「Tra Travelトーク」 、参加人数を明記のうえ申込。定員に達しなかった場合は、当日も受付。問合:ブレーカープロジェクト事務局 070-5046-8667 info@breakerproject.net
*新型コロナウイルス感染拡大により、掲載情報に変更がある可能性があります。お出かけ前に、各施設・主催者の公式サイト・SNSなどにて最新情報をご確認ください。
飛田会館
大阪市西成区山王3-1-13
白壁
大阪市西成区太子1-11-2
(「紳士用品 丸亀」 向かい)