
2025年3月20日(木)〜31日(月)に、大阪市此花区の梅香・四貫島周辺を拠点とするアートプロジェクト「水門(みなと)」において、梅田哲也による個展が開催される。
「水門」は、地域や国籍を超えた交流の中継点として機能する、不定期に活動する緩やかなネットワーク/アートプロジェクトで、梅香・四貫島で長年にわたりアーティストと地域をつなげる活動を行ってきた株式会社POS建築観察設計研究所が主催。2024年7月に始動し、地域に根ざした文化活動を通じて、流動的な公共の生態系(エコシステム)を模索する試みを続けている。
展覧会概要
この度、水門は、関西圏では11年ぶりとなる梅田哲也の個展を開催します。
梅田の作品は、環境や空間の特徴を再認識し、その場限りの現象に昇華させることで、鑑賞者にユニークな体験の機会を提供します。作品空間を構成する重要な要素である「音」や「光」を生み出す過程において、ときに身の回りに溢れた日用品が、重力や遠心力によって予測不能な現象を引き起こしますが、梅田はそれらを操作せず、偶発的に発生する現象を受け入れようとします。こうして、私たちが目にし耳にするものの境界が曖昧になり、日常と非日常が交錯する唯一無二の体験が生まれます。
これまで美術、音楽、舞台芸術などの垣根を越え、美術館(展示)や劇場(公演・演奏)にとどまらず、海、川、山といった屋外空間でもスケールに縛られないサイトスペシフィックな作品を展開してきた彼の作品は、どのように形作られてきたのでしょうか。本展覧会では、梅田の作品が生まれる過程において最も原初的な工程が行われる個人スタジオを同時に公開します。
会場となるのは、下町の居住エリアの一角にある古い倉庫付き住宅です。梅田作品の公開場所としては決して広くない、限られた空間の多くを占める棚には、梅田がこれまでに制作・発表してきた場所で不要となった品々がぎっしり並んでいます。それらは、展覧会やパフォーマンスの公演ごとに、それぞれのスケールに見合ったパーティー(組み合わせ)で、役割や形を変えながら別の場所で使用され続けます。本展覧会ではこの過程を、小さな一滴が町の川と水門を経て港に流れ、海に混ざり、また別の港へたどり着くように、感覚に直接訴えかける鑑賞作品として発表します。

現地にあるモノや日常的な素材と、物理現象としての動力を活用したインスタレーションを制作する一方で、パフォーマンスでは、普段行き慣れない場所へ観客を招待するツアー作品や、劇場の機能にフォーカスした舞台作品、中心点を持たない合唱のプロジェクトなどを発表。先鋭的な音響のアーティストとしても知られる。
水門(みなと)
出展作家:梅田哲也会期:2025年3月20日(木)〜31日(月)
受付場所:ふつか ※受付場所にて会場を案内
時間:平日(月〜金曜)15:00〜18:00/土・日・祝 13:00〜18:00
料金:入場無料
関連イベント
会期中、シルクスクリーンスタジオ&ショップ「ふつか」において、創作にまつわるあれこれを話すトークライブ『たまり』を不定期で開催。主催:株式会社POS建築観察設計研究所
助成:公益財団法人 福武財団

ふつか
大阪市此花区四貫島2-7-5