
音と声の表現を探るプロジェクト「歌と逆に。歌に。」。初年度は、2024年8月にクリエイティブセンター大阪にて、大阪生まれの詩人・小野十三郎(1903-1996)の詩作・詩論を起点に創作した新作音楽公演を、作曲家・日野浩志郎と詩人・池田昇太郎が開催した。(取り組みの内容については、インタビュー記事を参照のこと)
2年目は、池田を中心とし、演出家・藤原佳奈、ドラマトゥルク・朴建雄、美術家・佐藤文音、制作・伴朱音、記録編集・永江大によるリサーチ・プロダクションチームを構成。小野十三郎とその詩作について思索を深める。プロジェクトの現在地となる展覧会「大迂回(おおうかい)」が、2025年12月12日(金)から21日(日)まで、山王のイチノジュウニのヨンにて開催される。
概要
本展は詩人・小野十三郎を巡るプロジェクト「歌と逆に。歌に。」2年目の試みである。我々は小野十三郎が詩作を行った土地の現在を歩き、詩と詩論を読み、写し、話し、思考し続けている。小野は、1903年に大阪で生まれ、高校を卒業して上京後本格的に詩作を始め、1933年、30歳で大阪へ帰郷する。
「この葦こそわたしが自分の眼でもって発見した最初の植物であり、その生態についてはだれからも教えを乞う必要のない、わたしの生活の中の植物なのだ。」*
工業地帯を背景にした枯葦原の広がる風景。大阪を「葦の地方」と呼んだ小野にとって、「風景」は言葉の生成を触発する重要なメディウムであった。本展では小野が見出したメディウムとしての風景を、<詩の出来事性/出来事としての詩>として再考し、ある詩人をパフォーマティヴに発掘する実験である。小野の詩論の中核である「歌と逆に。歌に。」という言葉を大きく迂回することで、《詩》を空間・身体的経験へと差し戻す。
「抒情の否定が詩作の動機となっている事がある。時々それが「新しい」詩を創造する直線的な最短距離に見える。しかしほんとうは否定の精神とは謙虚な大迂回である」**
2025年度「歌と逆に。歌に。」プロジェクトは池田昇太郎を中心とし、藤原佳奈、朴建雄、佐藤文音、伴朱音、永江大をメンバーとしてリサーチ・プロダクションチームを構成した。会場となるイチノジュウニのヨンは、小野十三郎が東京から帰阪した昭和8年(1933年)から柳本商店として酒屋を営んでおり、当時の佇まいが残る酒場兼展示・イベントスペース。
* 「奇妙な本棚ー詩についての自伝的考察」P97-98、1974、立風書房
**「詩論+続詩論+想像力=小野十三郎」P115、1962年、思潮社
大迂回(おおうかい) A Great Detour
ある詩人から掘り起こす、詩のパフォーマティヴィティ
「歌と逆に。歌に。」プロジェクト2025会期:2025年12月12日(金)〜14日(日)、19日(金)〜21日(日)
会場:イチノジュウニのヨン
時間:13:00〜19:00
料金:入場無料+1ドリンクオーダー(イチノジュウニのヨンの酒場にて入場受付)
関連イベント:
トーク|「詩というメディアのパフォーマティヴな実践について(反省と派生)」
詩人・池田昇太郎、美術家・佐藤文音、演出家・藤原佳奈が、詩/美術/上演それぞれのメディウムへの眼差しから本展を振り返ります。日時:12月13日(土)15:00〜17:00
トーク:池田昇太郎・佐藤文音・藤原佳奈 進行:朴建雄
料金:1,000円(1ドリンク付)
定員:15名
申込:Googleフォームより
https://forms.gle/cAwSKsURw1V2N8BS9ツアー|「脱迂回」
会場からある場所に向かうその道中の出来事に触れながら歩いて、目的地で解散します(1時間程度)。動きやすく、防寒できる服装でお越しください。日時:12月21日(日)15:00〜17:00
ガイド:池田昇太郎
ゲスト:多数(お茶を出す、シャッターを切る、弦を弾く、歪み、言葉を着ている、他)
料金:1,500円
定員:20名
申込:Googleフォームより https://forms.gle/vVK2QzzFN5ZauLuz7
クレジット:
クリエーションメンバー 池田昇太郎、佐藤文音、朴建雄、藤原佳奈
プロデューサー 伴朱音
記録編集 永江大
プロダクションパートナー mizutama
主催 池田昇太郎
助成 芳泉文化財団 地域文化活性化助成、大阪市助成事業
協力 イチノジュウニのヨン、FIGYA合同会社
大阪市西成区山王町1-12-4



