
アーティスト・笹本晃(ささもと・あき)の個展「ラボラトリー」が、2026年7月19日(日)から11月3日(火・祝)まで、中之島の国立国際美術館にて開催される。
笹本は1980年神奈川県生まれ。10代で渡英、その後アメリカに移り、ダンスや美術を学んだ。
ニューヨークのクイーンズ美術館(2023〜24年)、香港のパラ・サイト(2024年)、ロンドンのスタジオ・ヴォルテール(2026年)などでの個展開催や、2022年のヴェネチア・ビエンナーレ、国際芸術祭あいちなど国際展への参加など、近年国内外での活躍が続いている。
本展は、2025年に東京都現代美術館にて開催された展覧会をもとに、国立国際美術館の所蔵作品を加えるなど内容を一部再構成したもの。初期から近年の作品までを一概できる大規模個展となる。
特徴的なパフォーマンス/インスタレーション作品をはじめ、写真、映像、ダイアグラム(パフォーマンス実施時に生み出される作品)など、その多様な作品性が提示される。
また会期開始時と終盤には、アーティスト自身によるパフォーマンスを実施。2011年にロンドンで初披露された《E_O》、同館コレクションであり40周年記念展以来のパフォーマンスとなる《Yield Point[降伏点]》、バーに見立てた作品空間で緻密に展開される《Wrong Happy Hour[誤りハッピーアワー]》、笹本のパフォーマンス/インスタレーション作品の最初期の一例である《Secrets of My Motherʼs Child[母の娘の事実]》の4作品を鑑賞することができる。
笹本晃は、彫刻的な思考と身体表現とを行き来しながら制作を続けてきました。糸や管、日用品、音、言葉といった多様な要素を組み合わせて空間を組み立て、思考や感情が行き交う回路のようなインスタレーションを構築します。さらに、自らその空間に入り込み、語りや動作を交えたパフォーマンスを行うことで、作品は固定されたものではなく、時間とともに変化し続ける「出来事」として展開されます。あらかじめ完成された形を提示するのではなく、出来事が生まれる過程そのものを含めて提示する点に、笹本の大きな特徴があります。
その関心は、個人的な記憶や日常の癖といった身近な領域から、近年では自然現象や生態系の観察へと広がっています。軽やかな語り口と複雑に構成された装置が重なり合うことで、作品はユーモアと緊張感を併せ持ちながら展開されます。空間に配置されたオブジェクトは単なる舞台装置ではなく、出来事を引き起こすための仕掛けとして機能し、即興的な展開を導きます。
本展のタイトルである「ラボラトリー(実験室)」が示すように、笹本の実践は完成された結果を提示するのではなく、試行錯誤のプロセスそのものを観客と共有する点に特徴があります。鑑賞者は、作品を単に「見る」のではなく、空間の中を歩き、音や気配を感じながら、思考の流れに巻き込まれていきます。東京都現代美術館で開催された展示内容を基盤としつつ、会場構成および当館が所蔵する作品も加えて出品作品の一部を変更し、国立国際美術館の空間特性に応じた新たな展示を試みます。
また、会期中に実施されるパフォーマンスについても、新たな作品内容で展開されます。展示空間を舞台に繰り広げられるパフォーマンスでは、言葉、身体、オブジェクトが複雑に絡み合い、その場限りの出来事が生成されます。これにより、来場者は訪れるたびに異なる体験に出会うことになります。
本展は、固定された作品展示にとどまらず、状況や関係性の変化そのものを含めた「生きた展示」として、観る者の思考と感覚を揺さぶります。現代美術に馴染みのない方にとっても、身近な素材や語りを手がかりに、多様な解釈の入り口が開かれる機会となるでしょう。
(プレスリリースより)

笹本 晃(ささもと・あき)
1980年神奈川県生まれ。10代で単身渡英。その後アメリカに移り、ウェズリアン大学でダンスや美術を学ぶ。2007年にコロンビア大学大学院(ニューヨーク)より芸術学修士号取得。現在はイェール大学芸術大学院彫刻専攻で教鞭を取り、専攻長を務める。主な個展に、スカルプチャー・センター(ニューヨーク、2016年)、クイーンズ美術館(ニューヨーク、2023-2024年)、パラ・サイト(香港、2024年)、スタジオ・ヴォルテール(ロンドン、2026年)などがある。横浜トリエンナーレ(2008年)、ホイットニー・ビエンナーレ(2010年)、光州ビエンナーレ(2012年)、コチ=ムジリス・ビエンナーレ(2016年)、国際芸術祭あいち(2022年)、ヴェネチア・ビエンナーレ(2022年)など多数の国際展に出品。2023年、アレクサンダー・カルダーの才能を継ぐ革新的な彫刻作家に贈られるカルダー賞を受賞。
会期:2026年7月19日(日)〜11月3日(火・祝)
会場:国立国際美術館 地下3階展示室
時間:10:00〜17:00、金曜は20:00 まで(入場は閉館の30分前まで)
休館:月曜(ただし、7月20日、9月21日、10月12日、11月2日は開館)、7月21日(火)、9月24日(木)、10月13日(火)
料金:
一般1,800円(1,600円)大学生1,200円(1,100円) ※( )内は 20名以上の団体及び夜間割引料金(対象時間:金曜の 17:00〜20:00)
高校生以下・18歳未満は無料(要証明)
心身に障がいのある方とその付添者1名無料(要証明)
※本料金で、同時開催の「開館50 周年記念プレ企画 コレクション1:私/行為」も鑑賞可関連イベント
笹本晃によるパフォーマンス
1.《E_O》
日時:7月19日(日) 14:00~、10月30日(金) 17:30~、11月1日(日) 14:00~2.《Yield Point[降伏点]》
日時:7月19日(日)、7月26日(日)、10月31日(土) いずれも17:30~3.《Wrong Happy Hour[誤りハッピーアワー]》
日時:7月20日(月・祝)、7月26日(日)、10月30日(金)、10月31日(土) いずれも14:00~4.《Secrets of My Motherʼs Child[母の娘の事実]》
日時:7月20日(月・祝)、7月25日(土)、11月1日(日) いずれも17:30~会場:地下3階展示室 ※要観覧券
定員:1、3 30名/2、4 50名※14:00からの回は当日10:00から、17:30からの回は当日13:00から整理券を配布
アーティスト・トーク
日時:7月25日(土)14:00〜15:30
会場:地下1階講堂
講師:笹本晃(本展アーティスト)
定員:先着100名 ※要観覧券ギャラリー・トーク
日時:10月3日(土)14:00〜
会場:地下3階展示室
講師:植松由佳(同館学芸課長)
定員:先着60 名 ※要観覧券主催:国立国際美術館
協賛:公益財団法人ダイキン工業現代美術振興財団
特別協力:Take Ninagawa
企画担当:植松由佳(国立国際美術館 学芸課長)
企画・監修:岡村恵子(東京都現代美術館学芸員)
大阪市北区中之島4-2-55










